手提げや肩掛けは、サラリーマンの体を疲れさせる

ここ数年、ビジネスシーンでリュックを背負う人が増えている。まるで皆が少年期のあの勇躍していたリュック時代に回帰しているかのようだ。
スーツスタイルのビジネスマンからオフィスカジュアルやラフな私服スタイルの人まで、リュックスタイルの勤め人を街で目にしない日はない。サラリーマンの間でリュック通勤ブームが到来しているのは間違いない。

一昔前までは、手提げと肩紐が付いている2WAYで使えるものが主流だったが、最近はだんぜんリュック機能を具備した3WAYのバッグを使っている人が多い。
なぜリュックスタイルが流行っているのか。
まずもっていえるのは、その便利さだ。重い荷物は、手持ちよりも背負った方がいい。
疲労感が段違いだ。重い荷物を一日中手で持つのは疲れる。片手に負荷がかかりすぎる。体感的に言えば1日片手で重い荷物を持ち続けると腕が1センチは伸びる。30日続ければ30センチ伸びる。1年続ければ、指先が地面に届く計算だ。
これでは周りから「手長猿」だの「宇宙人」だの揶揄され、出世もおぼつかない。

さらに、肩掛け鞄などは、一方の肩に負担がかかるので姿勢が悪くなる。体感的に言えば片方の肩に荷物を下げ持つことで、一日あたり約10度ほど体が傾く。9日連続で肩掛け鞄で出勤すると、常に横にお辞儀している状態になる。
これではまたしても出世がおぼつかない。

リュックを背負うことで「利便性」「快適性」を得る

背負うことで疲労軽減、良い姿勢を保つという二つのメリットが得られる。
両手が空いていることも重要だ。スマホの操作や読書、改札を通過するとき、買い物など、片手がふさがっていると不便だ。リュックならば両手が自由になる。
「利便性」と「快適性」の2つのメリットが勤め人に支持される大きな理由といえる。
こんな素敵なリュック生活を、送らない手があるだろうか? いやない。

アウトドアブランドで最適なリュックは意外に少ない

アウトドア派のサラリーマンの中にはリュックスタイルで通勤している人も多いだろう。
山で愛用しているブランドを、日常でも使いたいと考える人が多いはずだ。
しかし、愛用の「ザック」で通勤するわけにはいかない。アウトドアブランドでありながら、通勤で使えるリュックの中で、スーツスタイルにあうものは、実は意外に少ない。
純粋なバッグメーカーのほうがよりスタイリッシュなものがある。しかし、それではだめだ。アウトドア派はアウトドアブランドのものを使うことにこそアイデンティティを感じるはずだ。
あまりおしゃれに気を遣わない人の中には、たとえばモンベルやドイターなどのリュックで出勤している人もいる。しかし20代、30代の若手サラリーマンが、そのようなブランドの野暮ったいリュックで会社に行けるだろうか。

さらに一般的にかっこいいとされているブランドのリュックも、スーツスタイルにはあまり似つかわしくないものもある。たとえばアークテリクスだ。
若者はすぐに「アロー」を背負い出す。しかし、スーツにアローはいかがなものだろう。私服スタイルならば問題ないだろう(とはいえアローは手垢が付きすぎているが)。しかしスーツには合わない。
ニクソン? BACH? 何か違う。リュックとスーツとアウトドアブランド、実に難しい取り合わせだ。

最適なリュックは何なのか?

率直に言って、スーツに合うのはスクエアなリュックだ。スクエアつまり四角。それ以上でもそれ以外でもない。
多くのセンスのいい勤め人は、スクエアなリュックを背負っている。これはアウトドアブランド、非アウトドアブランドを問わずいえることだ。
アークテリクスのアローがだめなのはあの丸みなのだ。ほかのリュックが野暮ったいのは形がすべてカメムシのようなドーム型だからなのだ。

通勤×アウトドアブランドで必要な機能とは?

ではスクエアなリュックで、かつアウトドアブランドとなるといったいどういったものがあるのか。具体的な商品を見る前に、必要な機能についても少し触れておきたい。さしあたり重要なポイントは次の通り。

  • 3WAY(手提げ、肩掛け、リュックの3機能は必須だ)
  • 形(スクエアつまり四角い形)
  • 機能性(ラップトップを持ち歩かなくても、PC用スペースは確保したい。書籍や書類などを収納できるからだ)
  • 収納性(アウトドア派は荷物が多い。仕事用の荷物に加え、スポーツジム用のウェアやシューズ、弁当にペットボトル、モバイルバッテリーにタブレットなど、オーバースペックこそ至高)
  • ポケットの数(上記のように、大物類や小物類の収納ポケットの数は重要だ)
  • 開放性(小さな間口にはうんざりさせられる。大きく開口し、中身が一目瞭然なものを推奨したい)

おすすめなリュック3ブランド

ヘリノックス

ターグシリーズが爆発的にヒットしたヘリノックスには、ビジネスバッグとして使えるモデルがいくつかある。
どれもがデザイン、機能的に優れている。用途によって使い分けたい。

3WAYデイパックは、かなり容量が大きい。25リットルよりも大きく感じる。これはより背負うことに重きを置いているように思う。そのため手提げにすると、ドラムバッグのように見える。大きい容量なので、ジム通いをするサラリーマンにはうってつけだ。荷物の多い人に適しているといえる。

ラップトップクロス13は容量が小さい。そして2WAYだ。ターグフリークとしては欲しい一品だ。しかし背負えない。そして弁当が入らない。書類のみしか持ち歩かない人には適しているかもしれない。荷物が少ない出勤日の時や休日にカフェで読書をするときなどに適している。

グレゴリ-

グレゴリーの3WAYバッグで外せないのは、なんと言ってもカバートシリーズだ。その中でもビジネスマンに最適なのはエクステンデッドミッションだろう。背負い心地はさすがにザックメーカーだけある。細かい点まで行き届いており、機能性は群を抜いている。細かい収納も秀逸だ。容量は22リットル。
その他少し容量の小さいものもある。しかしグレゴリーの3WAYバッグの最適解は22リットルタイプのエクステッドミッションで間違いないと思う。

ノースフェイス

ノースならばシャトルデイバックだろう。これを背負っているサラリーマンも多い。2WAY。必要最低限の機能は備えている。アウトドアブランドらしい通勤リュックといえる。容量は25。ジム通いや弁当を入れても十分な大きさだ。水筒や雨具などももちろん入る。アウトドアマンには最適といえる。

アウトドアブランドのさらなる開発に期待

ここまで書いておいて何だが、率直に言って、ビジネスバッグとアウトドアブランドは食い合わせが悪い。
今のところ、ビジネスマンが背負うのに最適なアウトドアブランドのリュックはほとんどない。上記3ブランドがどうにか選択肢の遡上にあがる。
しかしもし3つのバッグを試着した場合、おそらく多くのビジネスマンはグレゴリーの一択という結論を得るのではないだろうか。それだけグレゴリーの出来が傑出している。機能性やシルエットなど、バッグ専業ブランドであるグレゴリーの「一日の長」が垣間見える。

ノースとヘリノックスを含めたこの3つのブランドの中に「これは」というものがなければ、おとなしく、ビジネスバッグ専業メーカーのものを選ぶべきだ。
アウトドアブランドのことは忘れるのが良い。今後のアウトドアブランドの開発に期待と言うこところだ。

少し批判的に触れたアークテリクスなどは、もう少しビジネス寄りのものを出しても良いように思う。むろん、ほかのブランドもだ。しかしモンベルは別だ。おしゃれに敏感なアウトドア派で、モンベルをこよなく愛する人間を、私はかつて一度も見たことがない。





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